1歳5ヶ月、熱性痙攣とロンドンの救急車
【姉のKaoruより】
2歳5ヶ月になった豪ちゃんのちょうど1年前のできごとです。
このブログ、去年書いたのだけど、そのまま公開せずにお蔵入りをしていたのですが、
今でもお友達によく語っていることなので、
ずいぶん前のことだけど、やっぱり発信しようと思いました。
姉のブログにしては、珍しく真面目です。
もし事前に知っていればあれほど恐怖に陥ることはなかった、
『熱性痙攣』についてです。
結婚記念日お祝いを兼ねてのパリ旅行を次の日に控えたある日のこと。
鼻水が出ているから、次の日のパリに向けて1日うちでのんびり過ごすことに。
ちょっと寒さもあったので、もこもこフリースを着せ、靴下を履かせてあげると、
外にお出かけにつれていってもらえると思って、靴を履こうとする豪ちゃん(笑)
⇩これはその時撮影した写真。元気そう。
朝ご飯もいつも通りよく食べ、
午前中は日本にいるじぃじ、ばぁばとビデオ通話でおおはしゃぎ。
自宅にいるときは、午前中11時くらいにお昼寝をすることが多いのだけれど、
お昼寝することもなく、とにかく元気に遊び続ける豪ちゃん♪
ランチもよく食べる!
そのあと、足りないみたいでフルーツ、おやつと食べ続ける。
「豪ちゃん、今日はお外出ないから、ブタさんになっちゃうよ、
ブゥブゥ」とママ。
さてさて、14時くらい。定番のランチ後のお昼寝タイムでやっと眠くなってきました。
よしよし、寝ましょ寝ましょ♡とベッドでぐぅぐぅ。
これで2時間くらいは寝てくれるかなー、ご飯作っちゃおう!
とお料理をしていると、30分ほどで豪ちゃんの泣き声が。
鼻水が詰まって苦しくて寝れなかったそう。
さっきまでそんなに詰まってなかったのに、急だなぁ、と思いながら、
寝れないほど鼻がつまっているのはかわいそうなので
日本のお医者さんにもらった鼻水を出しやすくする薬をゼリーに溶かしてあげてみる。
「これはなんじゃ!?」
と思ったのかなかなか口にしたがらず、
一口食べてみたら甘くて美味しくてぺろりとゼリー薬を平らげたのが15時前。
鼻はぐずぐずしているけれど、薬を飲んだあとまた歩きまわって元気そうなので、
クリーニング屋さんに行こうと豪ちゃんに上着を着せようとしたら、
???あれ?首元が熱い!これ、高熱じゃない!!??
上着を着せるのをやめてベッドに豪ちゃんを寝かせてしばらく様子をみていたら、
手が震えだした。。
あれ?寒気??
と思っている前に口もブルブル、身体もブルブル、
みるみる顔が白くなり、唇が青くなり、
ヒクヒクと言いながら身体全体が痙攣し、
豪ちゃんの口元が歪んできて、白目をむき出して。
動かなくなってしまいました。。
このまま命を落としてしまうのではないかと思うくらいでした。
ぐったりとした豪ちゃんを抱きかかえ、
フラット(マンション)のポーターのクリスの元へ猛ダッシュ!
(ここからは英語。一大事なのに英語しゃべれていた自分に今頃驚き!)
「クリス、助けて!!豪ちゃんが意識がなくなった!!
救急車を呼んで!!」
クリスはエプロン姿で猛烈ダッシュな私と
顔面蒼白な豪ちゃんをみて、すぐに救急車を要請。
「母親が日本人で英語が流暢ではないので、私がみている様子を伝えます」
とクリスが救急隊員に電話で豪ちゃんの様子を説明してくれました。
痙攣し始めてから5分もしないうちに顔に血の気が戻ってきたけれど、
フラットのロビーで泣き続ける豪ちゃん。
ものの5分もしないうちに救急車が到着。
(撮っている場合じゃなかったので、画像お借りしています)
救急隊員に状況を説明。
豪ちゃんに飲ませた薬の袋をみせたところ、
「おぉ!日本語で書かれている!読めない!発音してみて」
と言われてカタカナで書いてあるのを英語っぽく薬の成分の名前を読み上げたところ、
把握ができたようで(こんなで把握できるのか!?)
「この薬が原因じゃないよ」と言われる。
熱を計ったところ、38度。
カルポルという、イギリスでは「子供の熱にはカルポルよ、カルポル!」
というくらい誰もが知っている市販薬を隊員から渡され、豪ちゃんに飲ませる。
「救急車でこのまま病院に連れていけば、すぐに診てもらえるから、これから移動します」
と近くのセントトーマス病院へ。
(ここは、子供の緊急医療があるので夜中など緊急事態が起きたとき便利だと
うかがっていた病院でした。)
病院につき、すぐに緊急の診察室へ。
子供専用のエマージェンシールームのようで、壁紙にカラフルな手のペインティングがしてある。
ベッドの周りに5人くらいお医者様や看護師さんが待ち受けていて、
「Hello! What's wrong?」と手を振られる。
「ん??ここはエマージェンシールームなのか??」
と思うくらい和やかな雰囲気。
豪ちゃんは知らない大人に囲まれて具合も悪いし不安だし、
と泣き始めると、看護師さんがシャボン玉をふわーっと吹いてなごませてくれました。
診察したところ、今は特に問題がなさそうなので、
経過観察のために別室のベッドルームへ移動。
部屋が温かいので、パンパースのみになるように指示をうけ、
心拍モニターをつけ、定期的に検温。
この間も、豪ちゃんが泣かないように
DVDの映画や、シャボン玉、おもちゃなどを用意してくれました。
2時間ほど経過をみてから、喉や耳の中を女医さんが確認。
ちなみに、この方は赤いセーターのカジュアルな私服でした。
子供が怖がらないための配慮なのでしょうか。
ロンドンの病院ってこうゆうものなのでしょうか。
「問題がないので、熱がさがって、検査のためのおしっこが出たらもう自宅に帰っていいですよ」
この頃にはさわった感じだともう熱はなく、
最後1時間ほどは、豪ちゃんのおしっこ待ち。
途中で私の膝の上に抱っこされたまま寝てしまい、
「おしっこって寝たままでもできるんだっけ?」
「おねしょって言うくらいだから寝ててもするんじゃない?」
と主人と会話。
その間に今回のことについてドクターが
「今回の痙攣は直前にあげた薬が原因ではなく、高熱によるもの。
またこのような痙攣があったときは今日のように救急車を呼んでください。
お母さんがお子さんにした、鼻水の薬をあげたこと、救急車をすぐに呼んだことは
全て正しい判断でした。よく頑張りましたね。」
と言ってくれました。
なんて母親の気持ちに寄り添ってくれた言葉なのでしょう!!
『豪ちゃんをこんな大変な目に合わせてしまって、母親としての自覚が足りなかった』
と自分を責めてしまっていた私の心がふっと軽くなりました。
待ちにまった豪ちゃんのおしっこが出て、自宅に帰れることになりました。
ロンドンNHSは医療費が無料。
これだけケアをしていただきましたが、何もお支払いをすることもなく、
「ありがとうございました」と受付の方にお礼を伝え、
豪ちゃんを抱っこして病院を出ました。
英語での説明だったので、100%聞き取れていたわけでもなくまだ何かスッキリしない私は、
インターネットで『一歳児 痙攣』と検索をしてみました。
そうすると、『熱性痙攣』というキーワードでたくさんの文章が。
高熱とともに発症する痙攣で、1歳〜2歳の間に10人に1人くらいの割合で発症するもので、
痙攣を起こし、意識がなくなることがあっても、
しばらくすると回復をするそうです。
5分くらいで意識が戻れば、救急車を呼ぶ必要もないとのこと。
こんなことが起こるんだ、と頭の片隅に覚えておけば、
わたしのような「この世の終わり」のようなショックを受けることはないと思います。
このことは、一人でも多くのママに少しでも早く知ってもらいたくて、
長くなりましたがブログに書きました。
今回、もっとも感謝したいのが、フラットのポーターのクリスさん。
いつも豪ちゃんに声をかけてくれて、ぬいぐるみやおやつをくれたり、
孫のように可愛がってくれました。
救急車を呼んで、現場の状況説明を私の代わりにしてくれて、ポーターの仕事を遥かに越えた対応をしてくださったと思います。
金曜日のできごとだったので、土日お休みのクリスにはまだ会えていません。
月曜日にあったら、元気な豪ちゃんとともに心からお礼の挨拶をしにいこう!!
【その後のお話】
救世主クリス。
「僕が意識を失ったGoを助けたんだよー!」
とフラットの住民のみなさんにお話をしていたようで、一週間経って頃には
「救急車で運ばれた男の子」と豪ちゃんは有名になっていました。
住民情報がツーカーな下町のようなこのフラットが好きです♡
【ロンドンの救急対応について】
わたしは、凄く早く、迅速に対応してもらえて本当に助かりました。
ロンドンの医療体制はよくない、とよく聞いていましたがそんなことはないのでは?
こんな対応を無料(税金をお支払いしているけれど)でしてもらえるのは素晴らしいと思いました。
でも、救急対応レベルはそのときによってかなり異なるそうで、
「運がよかったね〜、何十分待っても来てくれない、とかよくあるよ〜」
とロンドンの友人に言われることも多々あります。
ということで、健康一番だ!と家族の食生活に気を使う日々です。
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