望まないわけじゃない
【妹のオグマイより】
おねーちゃん
その後、豪ちゃんのナーサリー生活はどうですか?
まだ泣いたりしてるのかな?
ニコニコしながらお友達と遊んでいるといいな〜(^^)
私は、新しい職場に来て1ヶ月が経ちました。
とても忙しく、座るヒマもありません。
そもそも、イスがありませんが。笑
職場は、スカイツリー近辺の
地域に根差した産婦人科の個人病院です。
ゆりかもめでレインボーブリッジを渡り
朝の海と東京タワーを眺めて出勤し、
薄暗闇に輝くスカイツリーを横目に見ながら帰ります(^^)
仕事内容は外来業務なので、
メインは診療介助。
前のクリニックとは設備が異なっていて
分娩施設や病棟もあるし、不妊治療、日帰りの手術もします。
流産や中絶手術の介助も担当していて
週2-3件くらい。(違う職場でもそれくらいあった気がする。)
流産と中絶の手術の仕方は同じで、
医療用語では、アウスと言います。
病院によりけりだけど、
中絶の時は「希望(本人希望という意味)アウス」
と言います。
流産アウスと区別するため、そんな言い方をしてます。
週2−3件って多い気がしたけど、
流産の患者さんを見ない日もないし
流産率は15−20%(全年齢層での確率)と考えると
そんなもんなのかな。
流産に関しては、
以前に私の経験を交えてお話したので、
今回は『中絶』についてお話しします。
そもそも『中絶』(正しい言い方は人工妊娠中絶)とは、
手術をして、妊娠を人工的に中断することをいいます。
日本の中絶は、
1955年の約117万件をピークに減少。
最新の2015年統計によると、総数は約17万6000件。
年齢別では20〜24歳が22%で最も多く、30〜34歳の20%が続いている。(厚生労働省より)
みなさん、中絶と聞いてどう思いますか??
「中絶なんて、命を粗末にすること。許せない!」
「命の大切さがわかってない。」
そういう意見もあると思います。
というか、一般的にそういう意見の方が多いのかな。
『中絶』に関しては賛否両論あると思いますが、
ひとつの意見として読んでもらえたらなと思います。
いままで
医療者として
たくさんの中絶手術をみてきました。
中絶は簡単な手術だと思われがちだけど、
ノーリスクではないし、
なにより、精神的に、すごく辛い。
簡単に決められることじゃない。
考えて、考えて、考えた末の選択。
カルテに書いてあることが全てとは限らないから
本当の中絶理由はわからないけど、
手術の介助に付いて
彼女たちの涙を見るたびに
ここに行き着くまで
いろんな葛藤があったんだろうな思います。
中絶は悲しいことだけど、
子供を育てられない状態じゃない時に
成り行きにまかせて産んでしまうより
中絶を選んだことは
責任のある選択ではないかと思う。
世間では
以前、『望まない妊娠』というフレーズが使われていたのですが
少しずつ『予期しない妊娠/計画していない妊娠』というフレーズが変わってきました。
望まないわけじゃない。
望んでいるけど、産むことできない。
そんな妊娠がたくさんあったからじゃないかなと思います。
手術が終わった時
きっと自分を責めてしまうだろう。
一生、罪の意識を感じて生きてしまうだろう。
でも、大切なのは繰り返さないこと。
中絶してしまったことで自分を責め続けるのではなく、
同じことをしないためにどうすればよいのか。
その答えをだすための手助けを
医療者や
場合によっては
若者であれば、大人がしていくことが必要なんだろうな。
産まない時は、妊娠を防ぐための避妊法を実行し、
産みたい時は積極的に妊娠しやすくするための方法を考える。
パートナーのどっちかが、これらの知識をもつのではなくて、
お互いがもつこと。
そして、パートナーと対等にコミュニケーションをとること。自分自身を大切な存在だと思うこと。
まだまだあるのかもしれないけど、
今の私には、これくらいしか思いつかないな(^^;)
でも、
現場ではこれを伝えられていない。
大切なのに
出来てない現場にも
自分にも
歯がゆさを感じます。。。
おねーちゃん
どうやってまとめたらいいかわからないけど、
日々思うことを
徒然なるままに書いてみました〜
こんな話は、豪ちゃんとのLINE電話では話せないからさ。
やっぱり、今度、LINE電話するね!!!!!!笑
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